舌下免疫療法

  アレルギー性鼻炎では花粉やダニが原因となり、くしゃみや鼻汁などのアレルギー症状が起こります。 抗アレルギー薬を用いる治療が一般的ですが、舌下免疫療法という治療法もあります。

■目次
1.アレルギー性鼻炎とは?
2.舌下免疫療法とは?
3.治療効果は?
4.治療対象となるのは?
5.治療方法は?
6.副作用は?
7.治療はいつでも開始できる?
8.その他の治療法は?
9.まとめ

 

 

 

 

アレルギー性鼻炎とは?

  くしゃみ、鼻水、鼻づまりが3大症状ですが、その他に目のかゆみや充血、のどや皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽい感じなどが症状としてでることがあります。季節性アレルギーでは、スギやヒノキなどの花粉が原因となり、通年性アレルギーではダニやハウスダストが原因となります。

 

 

 

 

舌下免疫療法とは?

  免疫療法とはアレルギーの原因となる物質を微量ずつ投与することで、原因物質に対する免疫反応を起こしにくくなる体質をつくることです。以前はアレルギンを皮下注射で投与していました。現在は舌下から微量の原因物質(スギ、ダニ)を自宅で服用することができるようになりました。

 

 

 

 

治療効果は?

  アレルギーに対する体質を改善するため、根本療法になりえます。3年以上免疫療法を継続することで8割の方に効果がある治療で、全体の2割で症状が完全に消失します。ただし全員に効果がある訳ではなく、2割の方では効果がでません。一般的に3~5年間は治療を継続することが推奨されています。効果があり症状が消失している場合には、いったん治療を終了(卒業)します。

誰でも受けられる治療なのですか?

適応がある場合に治療可能となります

 

 

 

 

 

治療対象となるのは?

  以下の場合には副作用のリスクが高く舌下免疫療法を受けることは出来ないか、効果が期待できないため推奨ができません。

舌下免疫療法が受けられない場合

  • スギやダニのアレルギーでない方
  • スギやダニ以外の物質にも反応が強い方
  • 重い気管支喘息の方
  • 重い心疾患・肺疾患のある方
  • 重いアトピー性皮膚炎のある方
  • 本剤の投与でショックを起こしたことがある方
  • 悪性腫瘍や自己免疫疾患がある場合
  • ステロイド薬や免疫抑制剤を使用している場合
  • β阻害薬、三環系抗うつ薬、MAO阻害薬を服用中の方
  • 妊婦・授乳婦の方
  • 抜歯後や口の中に傷や炎症のある方
  • 65歳以上の方

治療のよい適応となる場合

  • 6~65歳でスギやダニアレルギーと確定している方
  • 従来の治療効果が十分でなかった方
  • 抗アレルギー薬で眠気が出ると困る方
  • 毎日忘れず薬を服用できる方

 

 

 

 

 

治療方法は?

  スギやダニなどにアレルギー反応があるか血液検査を行います。 アレルギー反応があり、適応に当てはまれば治療が開始できます。 舌下療法についての解説ビデオをご視聴頂き、同意書を作成したのち、初回内服は院内で行って頂きます。急に副反応が起こることがあるため、30分は院内でお待ち頂きます。 服薬は1日1回、舌の下に錠剤を1分間置いてから飲み込みます。副作用を起こさないために、服用後5分間はうがいや飲食を、服用前後2時間は激しい運動や入浴を避ける必要があります。 はじめのは少ない量で服用を開始し、1週間後に再受診していただきます。診察の結果、治療の継続が可能であれば、容量を増やして維持量とし、治療を継続します。その後は月に1回の通院となります。

 

 

 

 

 

副作用は?

  微量とはいえアレルギー反応がある物質を投与するために、アレルギー反応が起こることがあります。 アナフィラキシーショックのような重篤な副反応はきわめて稀で死亡例はありませんが、以下の反応は起こりえます。

  • 口のかゆみ、むくみ、違和感
  • 下痢・腹痛などの消化器症状
  • ぜんそく発作
  • じんましん

  口腔内の副作用はほぼ観察のみで経過をみることができますが、症状が強い場合には抗アレルギー薬を併用することがあります。ぜんそく発作や消化器症状が強い場合には、維持量から初期量へ減量したり、治療の中断を検討します。

 

 

 

 

 

治療の開始時期は?

スギ花粉の飛散時期には舌下免疫療法を開始できません。一般的に6月~12月に開始することがほとんどです。

 

 

 

 

 

その他の方法は?

  舌下療法が行えない場合でも、従来療法の効果を高める方法もあります。季節型のアレルギーであれば有効で、花粉が飛び始めて症状が出る前から治療を開始します。この方法で花粉症の症状が出てくる時期を遅らせる、ピークの症状が軽くなる、症状が終わる時期を早めるという効果があります。初期治療をご希望される方は、花粉が飛び始める1月中にご来院下さい。

抗ヒスタミン薬や点鼻点眼薬を1週間用いてもスギ花粉抗原に対する血清特異的IgE抗体がクラス3以上の重症の花粉症が改善しない場合には、12歳以上であればゾレア(一般名:オマリズマブ)という抗体製剤が適応になります。2週~4週間に1回、注射で薬を投与します。体重や総IgE値によって投与量と頻度が異なります。


花粉症で受診される方へ

このように舌下免疫療法は根本療法となる治療法です。上記のように誰もが適応となる治療法ではありませんが、治療効果の高い方法です。

やるべきかどうか悩んでおられる方は、是非一度受診をいただき、相談いただければと思います。

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